6 月
14
2009
0

書評「Google Androidアプリケーション開発入門」

今回は「Google Androidアプリケーション開発入門」についての書評です。


“Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容” (木南 英夫)

概要

  • 系統…狩猟系と農耕系のどっちって言われたら、これは狩猟系でしょう
  • 著者は…木南英夫さん
  • ページ数は…308ページ
  • 価格は…3150円(税込み)
  • 発売日は…2009/6/4
  • 対応SDKは…Android SDK 1.5対応。現時点では初

目次

1章 Androidとは
1.1 Androidの概要
1.2 Androidの実行環境

2章 開発環境
2.1 クロス開発環境とは
2.2 Android SDKのインストール
2.3 エミュレータの使用方法

3章 Hello, Android
3.1 新規プロジェクトの作成
3.2 プロジェクトの実行
3.3 アクティビティクラスの確認
3.4 リソースファイルとマニフェストファイルの確認
3.5 ボタンの追加

4章 アクティビティとインテント
4.1 アクティビティとウィンドウの相違点
4.2 アクティビティ
4.3 インテント
4.4 アクティビティのライフサイクル

5章 リソース
5.1 リソースの種類
5.2 リソースの格納
5.3 プログラムからのリソースの参照
5.4 他のリソースの参照
5.5 リソースの切り替え
5.6 定数値リソース
5.7 描画リソース
5.8 アニメーションリソース
5.9 レイアウトリソース
5.10 スタイルとテーマ

6章 ビューとレイアウト
6.1 ビューの種類
6.2 ビュー
6.3 ビューグループ
6.4 ダイアログ
6.5 オプションメニュー
6.6 絵合わせパネルゲーム

7章 サービスとノーティフィケーション
7.1 サービスとノーティフィケーションの関係
7.2 サービスの起動と終了
7.3 サービスのバインド
7.4 ノーティフィケーション
7.5 アラーム機能

8章 ストレージとコンテントプロバイダ
8.1 プリファレンス
8.2 ローカルファイル
8.3 SQLite
8.4 コンテントプロバイダ

9章 位置情報サービスとネットワーク連携
9.1 位置情報サービスの概要
9.2 Google Mapsの表示
9.3 位置情報サービス
9.4 駅検索アプリケーション

10章 デバイスの使用方法
10.1 センサー
10.2 マルチメディア再生
10.3 カメラ
10.4 電話機能
10.5 バーコードリーダー

11章 アプリケーションの配布
11.1 マニフェストファイルの設定
11.2 アプリケーションへの署名
11.3 Android Marketへの登録

12章 開発ツール
12.1 Android Debug Bridgeの使用方法
12.2 Dalvik Debug Monitor Serviceの使用方法
12.3 TraceViewの使用方法
12.4 SQLiteデータベースのコマンドライン操作
12.5 Androidのソースコードの取得方法

実際どうよ?

  • 現時点では最強のリファレンス本です。
  • 筆者の木南さんは、日本Androidの会の幹事であり、あちこちで初心者向けのハンズオン(SDKのセットアップからHello world、実機でのマップアプリ動作まで)を全国各地で開催している方です。(自分も北海道でこのハンズオンに参加しました) このような活動によるノウハウがぎっしり詰まった本です。
  • 出版タイミングがSDK 1.1から1.5への移行期だったため、1.5を基本としつつも、センサー関連など一部1.1をベースにしつつ1.5のフォローといった箇所もある。
  • 全体的に、他の本では省略されてしまった細部についても、ちゃんとフォローされている印象を受けます。特にリソース関連(アニメーションリソースやスタイルなど)とビューの属性関連について。これらは「とりあえず動くモノ」を作るには必要ないけど、「クオリティの高い製品」を作るために必要となるモノです。
  • AndroidはActivityやService、ContentProvider、ライフサイクルなど、ちょっと癖のあるフレームワークですが、各章の始めの概念図がわかりやすく、導入として最適です。公式マニュアル(英文)で諦めた人は、こちらをお勧めします。
  • GoogleMapsとのマッシュアップとして駅探索アプリを題材としていますが、これは別スレッドにてHTTP経由でWebAPIにアクセスし、結果をJSONで受けた後にこれをパースし、結果をUIスレッドに戻してマップ上のアイコンを制御するといったような内容です。単純にAPIのサンプルというより、その周辺ノウハウやAndroidの癖も含めた実用的なサンプルという印象を受けました。このサンプルが理解できれば他のWebAPIへの応用は簡単でしょう。
  • 第10章では、ZXingを使ったバーコードリーダーのサンプルコードがあります。実はIntentを使えばバーコード・QRコードの撮影と解析は数行でできます。・・・が、このサンプルがまた良くて、カメラからのプレビュー画像関連処理や、シャッターを切ったときの動作など、カメラデバイスの使い方とその応用を感じさせる作りです。特にAR関連でプレビュー画像を処理したい人は参考になるんじゃないでしょうか。
  • 内容としてはさらっとですが、Android Marketでの公開を前提とした、アプリへの署名やAndroid Marketへの登録方法についての説明があるのは大きいかも。最初は登録ってどんな感じだろう、難しいのかなぁって思いますもんね。
  • 全体を通してみると、一般的なアプリケーションを作るときに必要になる知識は一通り解説しています。逆にグラフィックスやOpenGL関連は無いのでゲーム作りたい人にとっては、コードのサンプルとはならないかも。
  • タイトルは“Google Androidアプリケーション開発入門 画面作成からデバイス制御まで――基本機能の全容” ですが、デバイス制御はあくまでフレームワークとしてAPIが用意されている範囲の話であって、JNIを使って自分で制御しちゃうよって話ではないので、悪しからず。(自分はタイトルを見てそう思ったので)

どんな人にオススメ?

  • まったくのAndroid初心者だけど、Androidのプログラミングに興味がある人。
  • Android SDKのインストールでハマった人。特にAVDなんて知らない!って人。
  • パッケージ横断的な内容や、リファレンスとして手元に置いておきたい人。
  • WebAPIを使ったマッシュアップや、カメラを使ったアプリのサンプルコードを探している人。

気になった方はチェックしてみてください。

Google Androidアプリケーション開発入門

さぁ、日本でのAndroid端末発売に伴って、初心者向け解説本は大体出そろってきた感があります。次は特定分野向けの濃い話でしょうか。iPhone SDKの教科書のように学生向け、モバイルに向くアプリのアイデアや設計手法・マーケティングデータ・ビジネスモデルを取りまとめた本、2Dや3D(OpenGL)の実践的なサンプル本、Androidで利用可能なJavaのオープンソースライブラリ・Google code上のAndroid向けライブラリを取りまとめた本などは需要がある気がします。

関連する投稿

Android Market 掲載カテゴリ: 書評 | タグ:
5 月
24
2009
0

書評「初めてのAndroid」

今回はオライリーさんから最近発売された「初めてのAndroid」についての書評です。


“初めてのAndroid” (Ed Burnette)

概要

  • 系統…狩猟系と農耕系のどっちって言われたら、おいら的には農耕系かな
  • 著者は…Ed Burnetteさん。長尾 高弘さん翻訳。日本Androidの会監訳。
  • ページ数は…260ページ
  • 価格は…2310円(税込み)
  • 発売日は…2009年5月18日
  • 対応SDKは…公式には書いてないけどAndroid SDK 1.1かな。一部は1.5でも動くことが確認済み

目次

  • 第1部 Android入門
    • 第1章 クイックスタート
    • 第2章 基本コンセプト
  • 第2部 Androidの基礎
    • 第3章 ユーザインタフェースのデザイン
    • 第4章 2Dグラフィックスを探る
    • 第5章 マルチメディア
    • 第6章 ローカルデータの保存
  • 第3部 基礎を超えて
    • 第7章 世界との接続
    • 第8章 位置情報の利用とセンサー
    • 第9章 SQLを使いこなす
    • 第10章 OpenGLによる3Dグラフィックス

実際どうよ?

  • オライリー・クオリティ。かつ、内容を考えると安い。
  • この本は、リファレンス的にAndroidそのものを解説しようとした本ではない。他の言語やフレームワークなどである程度経験がある方向けに、Androidでの考え方、もしくはAndroid独自の機能をエッセンスとして抽出し、取りまとめたものである。
  • よって、リファレンスとしては使えない。それを狙ったモノではない。ただし、一度読めば考え方は大体理解できる。
  • 第1部では開発環境やインテント・サービスといった事について一通り説明があるが、詳しく説明すると言うより、用語解説程度と思った方がよいかも知れない。ページ数的に、第1部がこの本の10%程度に当たる。
  • 第2部では、数独を題材に2Dゲームの開発の流れを追っていく。数独自体はアルゴリズムなどについては深く取り上げない。作りたいモノが決まっていて、それをAndroidで構築するとしたら、こういう部材を使ってこういう風な考え方で組み立てていく、といったAndroidの特徴に着目した作りとなっている。全体の40%程度が第2部に割かれている。
  • 第3部では、Androidの独自の機能を取り上げる。WebKit経由でJavaScriptからJavaのコードを呼び出す方法、Android内蔵の各種センサーを扱う方法、SQLiteの使い方、OpenGLを使った3Dの扱い方など、他のAndroid本では扱わなかった濃い所について、最初の一歩を踏み出すのに十分な情報を提供している。全体の40%程度が第3部に割かれている。
  • 個人的には第10章が非常に参考になった。第10章ではお題としてOpenGLを使って立方体にテクスチャを貼ってブレンドモードで透視するまでを扱っている。個人的にはOpenGLのリファレンスなどでアーキテクチャ非依存の情報や考え方は一通り理解できたものの、それが実際にはどれを使ってどういう順序で実行する必要があるのかといった、流れが理解できていなかった。Android SDK付属のサンプルソースでOpenGLを使ったゲームのソースを読むことは出来たけれど、ソースから考え方を読み解くほど気合いが入っているわけでもなかった。この本では、Androidとしてはどういったものが用意されていて、どういったものは自分で用意する必要があるけど、大体こんな感じでいいんじゃないか、といった提案(いわゆる王道パターン)があり、SurfaceやSurfaceHolderってこんな概念とか、各処理の過程ではこんな事をしてますみたいな、ソースの解説がついている。他の本ではOpenGLを扱った項目が無く、OpenGLを使ったプログラミングの前提となる考え方を理解するために、非常に参考になった。
  • 独自スレッドからTextViewなどのGUIスレッド管理下オブジェクトを操作するときには、Handler.post()を使ってGUIスレッド側イベントキューに積む必要があるなど、フレームワークとしての癖についても解説があったのが良かった。
  • 逆に、Androidのプログラミングには、マルチスレッドプログラミングの知識がある程度必要になると思った。特にゲームやネットに接続するときには必須かと。
  • 第4部の付録としてJavaSEとAndroidのAPIの違いがまとめられているが、これが結構便利だったりした。既存のJava用ライブラリを使いたいとき参考になるかも。

どんな人にオススメ?

  • Androidについてある程度知っているけど、ちょっと濃い目の部分についてのキッカケが欲しい方
  • 2Dゲームを作りたいと思っている方
  • 他にリファレンス本を持っている方
  • OpenGLを使ったアプリを作りたいと思っている方

気になった方はチェックしてみてください。

初めてのAndroid

関連する投稿

Android Market 掲載カテゴリ: 書評 | タグ:
5 月
03
2009
0

書評「Google Android 入門」

今回は、現段階では一番実用的なんじゃないかと密かに思っているGoogle Android 入門(PDF書籍)についての書評です。

android_resized.jpg
“Google Android 入門”

概要

  • 系統…狩猟系と農耕系のどっちって言われたら、狩猟系かな?
  • 著者は…川崎 克巳さん
  • ページ数は…349ページ
  • 価格は…1500円(税込み・オンライン販売のみ)
  • 発売日は…2009年1月7日
  • 対応SDKは…Android SDK 1.0 r2
  • ※本書はPDF書籍であるため、一般の本屋では取り扱っていません。入手方法は著者のサイトからダウンロード販売のみとなっています。

目次

  1. Androidとは
  2. Android SDKのインストール
  3. まずは使ってみよう
  4. Androidのしくみ
  5. AndroidManifest.xml
  6. Intent
  7. Service
  8. Notification
  9. データストレージ
  10. セキュリティ
  11. リソース
  12. ユーザーインターフェース(Viewの詳細)
  13. Mapの利用
  14. マルチメディア
  15. 加速度などの各種センサー
  16. ネットワーク
  17. アプリケーション例

実際どうよ?

  • 扱っている範囲が広い。他の市販の本より広く深い感じです。リファレンス的に使うのが良いかも。
  • Androidのアプリケーションモデル・ライフサイクルみたいな基礎から、Manifestの書き方、Androidの特徴的なIntentやNotificationの使い方、各種View、Mapやメディアプレイヤーやカメラや各種センサー、WiFiまで、ほぼフルスペックの内容となっています。
  • カメラやセンサーなどは他の市販の書籍では扱っていないので、もしこれらを扱いアプリを作りたいなら、読んでおくと良いかも。(まぁ、該当部分はあまりボリュームは無いのですが)
  • 見た目はWordで作ってPDFに吐いたような感じですが、特に構成上の不満点は無いです。
  • テキスト情報が入っているPDFなので、メソッド名などで全文検索可能です。コレ大きい!! ググるよりこっちを先に探した方がいいぐらい。
  • コストパフォーマンスは最高です
  • PDF書籍なので、外出先で気楽に読むって事はできません。PCが必要です。まぁ、テキストだけ抜いてG1などで見るのも良いですけどね。
  • 例によって、Android 1.5で動かなくなる部分も出てくると思います。でもまぁ、基本的な考え方は同じか。

どんな人にオススメ?

  • 本屋に行くのは面倒だが、Amazonよりは早く本を読みたい方(ネットバンクを使って、振り込み確認のタイミングが合えば最速かも)
  • 情報収集やお試しだけに留まらず、実際にアプリを開発しようと思っている方
  • 市販の書籍では扱っている範囲が足りなくて、不満に思っている方
  • ドキュメントスキャナを使って本をPDF化している方
  • とりあえずAndroidの本を1冊だけ買おうと思っている方(コストパフォーマンス的にオススメ)

気になった方はチェックしてみてください。

Google Android 入門

関連する投稿

Android Market 掲載カテゴリ: 書評 | タグ:

Powered by WordPress | Theme: Aeros 2.0 by TheBuckmaker.com | Background image: licensed under the CC 3.0 License.